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亡失 Deprivation

by SAVE THIS UTILITY

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progdolphin
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progdolphin Oscillating synth work from resonant patches rise against clashing, warbling vocal harmonies that burst into bright instrumental peaks in epic, whimsical tryst. Atmospheric death, nightmarish post rock, feverish lounge jazz—whatever you want to call this EP—it's mystifying and worth your time. Favorite track: 網目 Web.
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1.
洞 Hollow 04:38
曇った鏡 映る自己像 曖昧な輪郭がサッカリン 錆臭いデトリタス 感情を 二値化して 側溝に捨て 独りよがりな 引用句で 舗装する 金言はプラスチック 水底を覗く 仮想を舐める 時を食む 虚を飾る 言葉を摘まむ 空を睨む 差し込む光 反射する 蜘蛛の糸 盲目に擬態した暗闇 隠せない雫の煌めき  曇った鏡 映る自己像 この広く深い洞も とどのつまりはカリカチュア コラージュの泥濘に飲まれる前に 洞の底に垂れる蜘蛛の糸を手繰れ 指の隙間に見える眩しさは 不可逆へのアンチテーゼ 俺もそこへ向かう
2.
緑青の切れ間 稲光の残り香 時の雨が降る 雨が降る 「そして」の先に続く言葉を聞きたいか 空の切れ間 月明かりが 廃棄物の楽園を悲しく照らす 「そして」の先にあるのは汚らしい方眼紙 生温いアルゴリズムの美辞麗句   サラセニアは甘言を舐めて育つ ヘゲモニーが隠した集積回路    束の間の快楽と電磁力の罪 レディメイドの幸福には灰が混じる 砂を噛んだ砂糖菓子は何味か カラーコピーの春夏秋冬      模造品のノスタルジアで欲満たせ 感傷を吸い続けるハリエンジュが空に絡む   油膜啜り生き続けるカミツキアリ  根を食まれた榊をくべ夜を照らす 王のいない王国の繁栄祝う     民衆の足元に蔦が蔓延る 味のしない喜怒哀楽に価値はない  憐憫は方程式にブチ込んどけ 心臓は陳列棚に並べなときな    トロイオンスで計量してやるから   感情のないディアスポラ 砂漠を彷徨う 諦観を嗤う諦観 ああ カモメが一羽 東の空へ 飛んでいく 向こうの空が 青白く 光り輝いているから 残された塩化ビニールの嘆きも 散らばるトタンの残骸も 雑草も 倒木も 枯れ井戸も 根無し草の悲しみも 全ては 全ては×××××のため 生温いアルゴリズムの美辞麗句   サラセニアは甘言を舐めて育つ ヘゲモニーが隠した集積回路    束の間の快楽と電磁力の罪 味のしない喜怒哀楽に価値はない  憐憫は方程式にブチ込んどけ 心臓は陳列棚に並べなときな    トロイオンスで計量してやるから   感情のないディアスポラ 砂漠を彷徨う 花月は瓦礫の上で咲く 猿より生まれし人の子ら 岩場の影に身を潜め 木立の幻 夢に見る 哀れなり
3.
冷たい乱反射 静寂に飛び交い 秒針の隙間に 呼気が漏れる ルクスの手触り もどかしく 重力に逆らえず 揺らぎに耽る 今は影が愛おしい "矩形の底の淀みに混ざる" 天井に映し出される 一続きの緋色の悪夢 泥土に塗れた放射線の 中心で動けない群衆の中 滲みを啜る プラタナスは 翅を夢見て 生長を止めない 煤に塗れた サルビアの花も 根を足に変えて 海へと帰るのだろうか 空が恋しいから ただ土を掘る お前もそうだろう 月の幻で眠ればいい
4.
網目 Web 15:07
絡まり合う記憶 氾濫する記号 脈打つ混沌の中に 芽吹いた秩序 空の飛び方を描き出す 仄暗い境界の先に セミオロジーの予兆を見る 折り重なるエピグラフの後で 完新世は花開く 秩序は暴力に変わり 縺れを壁の向こうに隠した 四方に伸ばした触手で 記憶の奥深くを蝕む 背後に迫るシュプレヒコール 「あの足跡に続け!」 イデオローグのタール臭いアジテーション 清い暴力で綴るマニフェスト 粘ついたクロノロジーを解いて 色とりどりの新たな大陸を作ろうか 群衆の吐くシニシズムが海に沈む 色褪せた枝葉が漏らす呻吟も 熱波に覆われて聞こえなくなる 白む花束が放つ硫黄臭 征服欲垂れ流すお前らも 所詮はリビドーの代行者に過ぎないのだ 絡まり合いを一つずつ切り離す 見えざる手が手折る大木の枝 失われた空の飛び方を思い出せず 零れ落ちる雫は アスファルトの隙間に静かに消えていく 六畳間から138億光年を思って幾星霜 自己という多面体も座標系の中で散り散りになり、 差分の中に消えていく 交点から放たれる号令はあらゆる揺らぎを飲み込んで、 無味無臭のアーキテクチャに作り替えていく 無数の断絶の中を彷徨う俺は一人の修羅なのだ 矩形の頭をしたオブジェクトの集団が退色を弄び 懐かしい残骸を悼みながら、後ろ手で賽を振る 積もりゆく傷跡を眺めてなお静止している 俺もただのオブジェクトなのだろうか? 水底に沈んだ聖なる渇望を 今一度掬い上げて、光にさらす また、縋ることができるだろうか 交錯する時間の果てで 今、永き憂鬱から這い出て 幸福な畏れと共に 天恵を思い起こす 根を張り巡らせて地図に線を描き殴れ 忘却に消えかけた追憶の群れが 錆びた雪を踏みしめて進む 彼らの無垢な瞳に映る俺も いつの日にか俺になる   無限の地平を行き交う生者たち 全ては共にあり、共になる 世界よ再び絡まり合って 空の飛び方を思い出せ 生きる縁に喪失を思え 俺もお前も網の目に生きている 秩序を組みなおし 記憶を手繰り寄せる 記号で溢れる世界が 清い混沌の中に蘇る

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2nd EP

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released February 5, 2024

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SAVE THIS UTILITY Japan

Progressive / Avant-garde metal band in Japan.

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